私の実家は祖父の代から不動産業だ
子供の頃にはそのせいで『悪徳不動産屋』とか『地上げ屋』という
あだ名をつけられたこともある
もちろん『悪徳不動産屋』ではない
地域に根ざした家族経営
子どもの目にもお客さんに親身に接している姿がうつった。誠実さも感じた
どこに行っても街の人から頼られる存在の祖父を尊敬していた
言葉遣いは丁寧ではない。スーツでビシッとキメてもいない
でも『目の前の人をわかろうという思い』『自分がなんとかするという責任感』
頼ってくれた目の前のお客さんの期待にいつも応えようとしていた
それなのに・・・
残念ながら不動産業のイメージは悪い
そんなわかってもらえない感が子供の頃からもどかしかった。そして今でもそうだ
そんなイメージの悪い不動産業界で生き残っていくために
多くの会社がやっていることは『お客さんに媚びる事』ばかり
選んでもらえるように、お客さんの機嫌をとる。でも本音は売り上げやノルマが最優先
プロとしてわかっている事も、都合が悪ければ伝えない
お客さんの認識や判断が間違っていても、合わせて何も言わない
いつまでそんなことを続けるんだろう
このまま本質的な役目から目を背けていては、本当にいらない職業になってしまう
まず頭に浮かぶのは『お客様は間違える』ということだ
人生で何度も経験することではないから、間違えて当然
情報や知識はタダで手に入る
そんな大量の情報がさらに判断を誤らせる
だからこそ、私たちにはお客様に伴走し、導く役割がある
間違った認識には、プロとしてしっかりと訂正しなければいけない
納得のいく判断をしてもらうために不都合な事実も伝えなければならない
媚びてる場合ではないのだ
三代目として父と一緒に会社をやっている時、私も自社の都合を優先する時期があった
会社を大きくしたい、イメージを良くしたいと集客や営業を頑張って売り上げをあげたが
その先には自分の事しか考えない虚しい自分しかいないことに気づいた
親元から独立し、戸塚区不動産センターを始めて
少しだけ祖父や父に近づけた気がする
地域に根差す覚悟、一人一人のお客様の気持ちに寄り添うことの大切さ
それを淡々と続けていくことが自分の役割。今はそう思っている
それでも不動産業のイメージは悪い
世間のイメージを変えようなんておこがましいし、私にそんな力は無い
それよりも今日こうしてできたご縁
私の目の前のお客様をちゃんと導く
その先にどんな景色があるのかは、ちょっと楽しみに思う