売りたい理由別、
売却の進め方
不動産の売却はその売却理由毎に悩みや疑問が違うものです。同じような理由で不動産の売却をされたお客様の事例はとても参考になると思います。
相続する家を売却をする場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・状況を把握してスケジュールを立てることから始めよう
・相続人全員の同意を得ることが重要。冷静に話せないなら第三者を交えよう
・家の中の整理は売り方などでもタイミングが変わってくる
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古い一戸建ての売却をしたいという相談がありました
相談に見えたのは、その物件の所有者では無く、お子さんお二人
お父様が先にお亡くなりになり、その後数年してお母様も亡くなられ ご両親が長年住んでいたお家を相続したご兄弟でした
お家の中には遺品や生活用品がそのままになっているし
相続の手続きも何もしていない
日常の忙しさの中、やっと時間を見つけて当社に相談に来られた様子でした
こういう相続した方からの相談で一番多い相談は
『何から進めたらいいのかわからない』
『誰にどんな事を相談するのがいいかわからない』といったような内容
このお客様もそういった状況での相談でした
司法書士さんとか、不動産屋さんのお知り合いがいれば
だいたいの流れとか、進め方は聞けるかもしれませんが
そういったお知り合いがいない方は、インターネットなどで
断片的な情報を見ていくしかないので、情報量が多い分、途方に暮れてしまう方が多いです
そのお客様は
『こんな何もわからない状況で相談に来てよかったのでしょうか?』と
恐縮していましたがかえってそういう何も手つかずの状況で相談に来られる方が
お客様自身の余計な作業やわからない事での不安も減らせることができますし
物事もスムーズに効率的に進んでいき、結果としてはとてもお客様自身が
疲労困憊してしまうことが少ないと思います。
さて、実際の相続不動産売却の手続きについてです
やることが莫大に思えてしまうかもしれませんが
状況を整理して、無理のないスケジュールを立てられれば、そんなに大変ではありません
1.相続登記
2.家の中の片づけや遺品整理
3.測量
4.不動産の売却
1~4の作業の中で『相続不動産の売却』特有なものは『1』だけです
『2』と『3』は相続じゃなくても、古いお家の場合なんかはだいたい必要な作業
マンションを相続した場合は、『3』は必要ありませんし
『2』もマンションの場合、一戸建てに比べてそんなに大変ではありません
簡単に作業の流れを説明していきますね
1、『相続登記』
これの流れは
『(A)相続人全員の同意を得て→(B)書類を集めて→(C)司法書士さんに登記依頼』
これだけです
司法書士さんに依頼をすれば、ほとんど手間も少なく手続きを終えられます
司法書士さんのお知り合いがいなくても、相談する不動産会社が紹介してくれます
どんな書類を集めて、どんな流れで進めて、どれくらいの費用と期間がかかるのか
最初に把握して進めれば、そんなに手間もかかりませんし、不安もありません。
ただ、一番この作業でポイントなのは
(A)の『相続人の同意を得て』というところ
相続したのが、ご自分お一人の場合は何も心配いりませんが
相続人が数名いる時には、スムーズに同意を得られないこともよくあります
兄弟でもお金が絡むと、シビアになる方もいますし
お金の事では無くて、心情的に売却に反対する方もいます
相続人の皆さんの気持ちを一致団結するところからがスタートですが
無理に他の方を言いくるめようとせず、まずは皆さんの気持ちをフラットな気持ちで
聞くことから始めてはいかがでしょうか?
また中々、感情的になってしまい話がすすまないといった場合には
私どものような第三者を交えて話し合うという方法もあります
そういう場にも、たまにお邪魔させてもらうことがありますが
結構、他人がいるだけで冷静に話し合えるものです。
次に2番目の『家の中の片づけや遺品整理』
今回、相談に来られたお客様は
ここが一番心労が絶えないところで
数十年住み続けた両親の荷物が生活していたそのままになっていました
その中には両親が大切にしていたものや
自分たちが子供の頃に使っていたものや写真や思い入れのあるアレコレがたくさん
大事な書類や権利書もどこにあるかわからないといった様子でした
また売却する不動産に近ければ良かったのですが 車で2時間程度かかる場所に住んでいたため 片づけにしょっちゅう来る訳にもいきません
荷物の量にもよるのですが
こういう場合にはお金はかかってしまいますが
片付け屋さんに全てお願いしてしまうというのも一つの方法です
まずは片づけるのにいくらかかるか見積もりをして
その費用と自分の手間の面倒さを比較して、どうするか決めましょう
片付け屋さんも通常は不動産会社が紹介してくれますし、自分でみつけてもOKです
場合によっては、建物の中の物品をすべてそのままで売買することも可能ですが
この場合、購入者が片付けをすることになるので
提示した売買価格より安価にせざるを得ませんが
そういう方法での売却も可能です
また、この片付け作業は、売却を開始するときまでにしなければいけないのではないか?
と今回ご相談の方も思っていたようですが
実際には、土地物件として売りに出す場合には
売却が無事に成立し契約が終わり、最後のお引渡の時までで大丈夫です
ただ、中古物件として売りに出す場合には、荷物が散乱したままだと
物件の価値が低くなってしまうので、片付けのタイミングは売り方にもよります
まだ買い手が見つかっていないようであれば
時間もありますので、思い出の品など整理しながら
ご自分達で一回、お部屋を見てみるのも、良い機会かもしれませんね
ここまで目途がつけば、あとは通常の売却と同じです
お任せした不動産会社が買い手を見つけてきてくれるのを待ちましょう
物件によって測量や細かな手続きがあるかもしれませんが
担当者がタイミング良くサポートしてくれると思います
ここまでの一連の流れで
どれくらいの費用がかかるのか?
どういうスケジュールで動くのか?
準備しておくことや、そのタイミングは?
などなど
こういう事をまずは時間をとって打ち合わせをすることが第一歩になります
相続と言っても、いろいろな状況で相続する方がいます
ご自分の所有物ではなかった不動産なので
ご自分のことよりも気苦労がある方が多いように思います
頼れるところは頼り
心身共に疲れている時には無理をせず
良い形で、相続不動産の売却という一大仕事を終えられるよう
応援しています!
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・状況を把握してスケジュールを立てることから始めよう
・相続人全員の同意を得ることが重要。冷静に話せないなら第三者を交えよう
・家の中の整理は売り方などでもタイミングが変わってくる
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転勤・転職が理由で売却する場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・自宅を賃貸に出すか売却するかどっちが良いかは、戻る可能性があるかないか
・賃貸に出す時のリスクを知っておこう
・不動産屋さんを探す時は、賃貸と売買どちらに強いか見極めよう
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毎年、2月、3月になると 転勤の辞令が下り、急いで自宅の処分を検討するお客さんの相談が増えます 限られた時間でできる限りの事をしなきゃいけないと、本当に大変そうです
転勤の方は、不満があって自宅を売却する訳ではないので できれば売らずに、どうにかできないかとまず考えます ですから圧倒的に多い相談は 『賃貸がいいのか? 売却がいいのか?』という内容です
私の経験上、売却か?賃貸か?悩んでいる方のほとんどは 売却することを選択しています
もちろん気に入って買った家だから、売りたくないのが本音だけれども 冷静にいろいろ考えると売ってしまう方が良いという結論に至る人が多いです
このことについて、少し詳しく説明していきます
どちらがいいか考える時に、一つの判断基準があります それは・・・
『転勤先から戻ってくる可能性が少なければ、売却。可能性が高ければ賃貸もあり。』
【転勤先から戻ってくる可能性が少ない場合】、なぜ売却を選択する人が多いかというと 賃貸にした場合いくつかのリスクが発生するからです
(リスク1)空室になるリスク
→家賃が入ってこないのに、ローンの支払や管理費等固定費の支払いは続きます (リスク2)設備などが壊れるリスク
→物件内の設備や不具合を直すのはオーナーの責任です。メンテナンス費用がかかります (リスク3)家賃など滞納されるリスク
→入居者が家賃を滞納した場合、空室リスクと同様です。退去してもらうのも一苦労です (リスク4)対銀行のリスク
→転勤先で家を買いたくても、ローン支払い中は新たなローンを組めないことがほとんど 欲しい物件が出てきてから売却をしたくても、貸していてはなかなかすぐに売れません
しかし、そうは言っても、 戸塚や東戸塚の駅から近めのマンションでは結構良い値段で賃貸相場が推移しています ローンの毎月の支払額よりも大幅に高く貸せることも多いので 賃貸の方が良いんじゃないかと考える人もいます しかしこれも、注意して考えないといけません
それは入ってくる賃料とローンの毎月返済額の比較だけではなく 管理費や修繕積立金、年間の固定資産税、それと設備が壊れたときの補修費用や 入居者が変わった時のリフォーム費用、空室期間中のローン こういう費用がかかることを前提に考えると 良い賃料で貸せるといっても、割の良い投資とは言えなくなることがほとんどなのです
こういった理由から、売却をすることを選ぶ方が多いです。 しかし、売らずに賃貸を選択する方もいます それは・・・
【転勤先から戻ってくる可能性が高い】 または
【住宅ローンの支払いが無い】 こういう状況の方です。
もし、賃貸に出すと決めた場合、契約期間についてはよく考えましょう 戻ってきたときにすぐ住める状態にするためには 定期借家契約と言って、一定期間で契約を解除できる賃貸契約にする必要があります そうしないと転勤から戻ってきて自宅に住みたいのに 借主さんが住んでいて住めないなんて事になりかねません
次に、賃貸にするにしても、売却するにしても お願いする不動産会社を決めなければなりません
まず、不動産会社に相談や問い合わせをする前に ちょっとインターネットなどで、どんな会社か簡単に調べてから行きましょう 何を調べるかというと 賃貸中心なのか、売買中心なのか(どちらが得意なのか)についてです
売却したい人が賃貸中心の会社に行ってもあまり良い結果は期待できませんし その逆で賃貸にしたい人が売買中心の会社に行っても意味がありません
不動産会社は、賃貸か売買か、どちらかしかやらないという会社は少なく 賃貸も売買も両方やっている会社が多いです ですから売却したいのに、賃貸中心の会社に行っても 『うちは売却はあまりやらないんだよねえ』と正直に教えてくれることは無く 知らないまま売却が不得意な会社にお願いしてしまうことになってしまいます
その会社のホームページを事前に見てみるだけで そのページに掲載されている物件が賃貸なのか、売買なのか ホームページで発信されているメッセージが、売買中心なのか、それとも賃貸中心か こんな感じて、いくつか気になる不動産会社チェックしてみてください
また、不動産会社の場所も大事です 会社に紹介された不動産会社に依頼するという選択肢もありますが スムーズな売却を目指すのであれば、売却するご自宅に近い不動産会社に依頼する方が 良いと思います
近いと言っても、すぐ近所じゃないとダメということではありません 戸塚だったら、戸塚駅、東戸塚駅などにある不動産会社というくらいの意味合いです
あなたの物件を購入する可能性のある購入希望者はどんな風に物件を探すか考えてみれば その理由もわかります
・インターネットで探す時、『エリア×物件種類』などで検索し、出てきた会社に問合せ
・探しているエリアの不動産会社に相談に行く
例えば戸塚で物件を探している人が、都内の不動産会社に相談に行くことは稀で やはりそのエリアの物件を豊富に扱う会社に相談にいくものです できればこういう会社に依頼し、スムーズな売買を目指しましょう
以上が転勤で売却を検討中の方向けのアドバイスになります 限られた時間で大変な作業だろうと思いますが、応援しています!
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・自宅を賃貸に出すか売却するかどっちが良いかは、戻る可能性があるかないか
・賃貸に出す時のリスクを知っておこう
・不動産屋さんを探す時は、賃貸と売買どちらに強いか見極めよう
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離婚が理由で売却する場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・まずは査定をする必要があります。3社ほどに査定をしてもらいましょう
・離婚による売却の場合、夫婦の意思疎通が難しく長期戦になる場合が多いです
・不動産屋さんは売却だけでなく、夫婦の橋渡し的な役割も出てきます。頼りになるパートナーか見極めましょう。
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離婚による財産分与のため、
離婚後は家が広すぎるため
離婚後、住宅ローンの支払いが負担に感じるため
離婚が理由で売却する方といっても状況は様々です
また売却するかどうかもまだ決まっておらず 財産分与の計算のため、いくらくらいで売れるのか? とりあえず価格が知りたいという方もいます
不動産の売却の事以外にも夫婦間で話し合わなければならないことがたくさんあり 裁判や調停で話し合いをしている事も多々あるため 実際の売却を開始するまでに時間が多くかかる場合が多いです 特にご夫婦で共有名義になっている場合などは お二人の間で意思決定の調整が必要で、もっと時間がかかったりします
そんな長期戦になる場合が多いこのようなケースでも 『ご自宅がいくらで売却できるのか?』ということがわからないと 話しが先に進められないため、まずはご自宅の査定が必要になります
裁判や調停などで話し合いをしている場合には 『査定書』といって、口頭ではなく、不動産会社が発行した価格の根拠を示した書面を 提出することになるので、『査定してもらう』という作業は必須です
実際に査定を不動産会社に依頼する際には
・インターネットで不動産会社を探す
・ネットの一括査定サービスを利用する
・よくチラシが入ってくる会社に依頼する
などなど、不動産会社へのアプローチには色々ありますが どれでも良いと思います
大事なことは、『数社に査定を依頼する』ということ 理由は2つあって
1つは、価格の平均値を見たいため
2つ目は、先々売却を依頼するパートナーを探すため です
理由について、ちょっと解説していきます・・・
1つ目の『価格の平均値を見たいため』ですが
不動産会社はあなたから売却の依頼をしてもらうために、査定をしています
1社にしか査定を依頼しないと、その査定価格が気を引くための高めの査定なのか 早く売るために安く見積もってきているのかの判断がしづらく 価格の信憑性にも疑問が残ります
しかし、数社に依頼をして、それぞれの価格についての根拠を聞けば だいたい、『このくらいが妥当なところかな?』という感覚がわかってきます
数社の内、1社だけあからさまに高い場合には、あまり期待しない方が良いですし 数社とも同じくらいの価格になるようであれば、その価格の信憑性が増します 不動産会社としても、数社に見積もりを依頼しているというのがわかると 他の会社の査定額が気になりますから、そんなに検討外れの査定をしなくなります
では、何社くらいに依頼するのが良いのでしょうか?
色々な考えがあるかもしれませんが 私は3社くらいがちょうど良いのではないかと思います
あまり多いと、会って面談するだけでも大変ですし 5社、10社と面談したからといって、価格の信憑性がより増すこともあまりありません かえって、色々な話を聞かされすぎて混乱の原因にもなります
一括査定サイトを利用する場合には、たくさんの不動産会社にいっぺんに査定依頼 できますが、面会する会社はその中から3社程度に絞ったほうが良いと思います
次に2つ目の『先々売却を依頼するパートナーを探すため』についてです どちらかというとこちらの方が大事な要素になります
先程も書きましたが、実際の売却までには時間がかかるケースが多いです ということは、その間、色々な事を不動産会社の担当者に相談したり 場合によっては、ご夫婦間の話し合いの橋渡し役になってもらったり 弁護士さんとやりとりしてもらったり 売却までにも、売却をスタートしてからも、頼りにする場面がたくさんあります
相談から契約、契約から物件の引渡しまで、スムーズに事が問題なく進むように 様々な役割が不動産会社の担当者にはあります そんな時に、頼りになるパートナーかどうか? 面会する時にはそういう視点で話しを聞いてみると良いと思います
不動産の売却以外にも、色々な場面で相談ができるような 話していてストレスのないようなコミュニケーションをとれる担当者が理想ですね
間違っても、査定額の高い低いだけや、強引なアピールなどで決めず 自分の立場に立って話しを聞いてくれているかどうか? この視点を外さないように、担当者を選別していただくと良い結果になると思います
また、その他にもよく聞かれるご質問についても解説です・・・
★共有名義の場合はどうやって進めたらいいか?
ご自宅が夫婦共有の名義の場合にはどちらも売主になりますので 持ち分の割合にかかわらず、手続きにはお互いの参加が必要になります
・不動産会社を決定し、売却の依頼をする際
・買主が決まり、売買契約の際
・住宅ローンがある場合でお二人でローンを組んでいる場合には 全額返済の手続きの際
・鍵と所有権の引渡しの際
上記のすべてのタイミングで、お二人とも署名捺印をしていただく書類があります お二人が一緒に手続きが可能な状況であれば、特に問題はありませんが お互いが一緒の手続きが難しい場合には、それぞれ別々で署名捺印をする必要があります その場合には不動産会社の担当者に橋渡し役になってもらい それぞれと面談し、手続きをしていくことになります
または、どちらかが、作成した委任状にあらかじめ署名捺印をし どちらか一方が取引の主体者として代理で行うことも可能です 一度もお互いが会う事無く、取引きを終えることは可能ですので その場合には希望を早めに担当者に伝えておきましょう
★希望の価格で売れなければ、売却を取りやめたい。可能ですか?
・ローンが完済できる価格で売りたいとか
・売却後にある程度の費用を確保できるような価格で売りたいとか 状況によって、希望もそれぞれです
その希望が叶わないようであれば売ってしまっては困るという場合もあり そういう場合には売却を取りやめることも可能です
不動産会社と結ぶ、売却の依頼契約は 通常、期間が3か月間となっていて、その期間満了時に契約更新をせず 売却をとりやめれば、費用も一切かかりませんのでご安心ください
そういう場合には、近所に売却をしていることがわからないような 販売方法も採用できますので、そういう希望は早めに担当者に伝えましょう
以上が、よく聞かれる代表的な質問でした
ここまで不動産の売却のことについて書きましたが それ以外に夫婦間で話し合うことがあったり、感情的なことがあったり 『とにかく疲れる』と皆さん言われます。 不動産会社など第三者に早めに相談することで、夫婦間で直接やりとりをする回数が 減ったり、第三社が間に入ることで、冷静に考えられるようになったりと 少しは負担が軽減することが多いようで 不動産会社の役割は、売却をすることだけではないように思います
頼れるところは、頼ってみてはいかがでしょうか?
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・まずは査定をする必要があります。3社ほどに査定をしてもらいましょう
・離婚による売却の場合、夫婦の意思疎通が難しく長期戦になる場合が多いです
・不動産屋さんは売却だけでなく、夫婦の橋渡し的な役割も出てきます。頼りになるパートナーか見極めましょう。
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利用していない遊休不動産を売却する場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・いくらで売れるかのだいたいの価格は、一括査定で調べるなら1~2割減額を目安に
・売るタイミングは世の中の情勢より、自分の家族親戚、金銭面などの兼ね合いが大事
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もう誰も利用していない土地や空き家、マンション
『いつかはどうにかしなければ。。。』
と思いつつ、タイミングや家族や親せきなどの周りの状況などもあるし どこから、どうやって、誰に相談したらいいかわからない
こういう方からの相談が年々増えています そんな状況の方の疑問や関心事には共通点があって
1、 いくらで売れるか?
2、 売るタイミングはいつがいいのか?
この代表的な2つの質問について、注意点や判断基準をお知らせして役立てていただければと思います
1、いくらで売れるか?
これは不動産会社に査定をお願いすればおおよその価格がわかります ただ、まだ売るかどうかも決まっていない状況なので査定をお願いしづらい そういう方も多いと思います
そのような場合でも不動産会社と合わずにおおよその価格を把握する方法が2つあって 1つは『一括査定サイト』を利用すること
インターネットを開いて、『不動産 一括査定』と検索してみるといろいろ出てきます どれかの一括査定サイトを選んで必要項目を入力し 申し込むだけで不動産会社からメールや電話で査定額の提示がきます 料金はほとんど無料だと思いますが、一括査定サイトを利用すると不動産会社から電話などの営業はされますので、本当におおよその価格を知りたいだけだと ちょっとハードルが高い方法かもしれません
また一括査定サイトで査定するときの注意点ですが 提示された査定価格をそのまま鵜呑みにしないこと やはり不動産会社は自分の会社を選んでもらうために、営業している訳ですから、 売主さんであるあなたの気を引こうと、相場よりも高めの査定を提示する場合が 多くあります。
中古車の査定などと違ってその価格で買い取ってくれるわけではありませんから 提示査定された額よりも1~2割程度減額するぐらいでちょうどよいと思います
次におおよその価格を知るもう一つの方法です こちらの方が気軽に、相場価格を知ることができます
それは『スーモ』や『ホームズ』などの物件検索サイトを利用する方法です
『スーモ(SUUMO)』『ホームズ』というのは、マイホームの購入を検討している方が物件探しをするホームページです 他にもいろいろな物件検索サイトがありますが、たくさん物件が探せるサイトだと 『スーモ』『ホームズ』『ヤフー不動産』『アットホーム』などが代表的
こういう物件検索サイトを利用して ご自分の所有する不動産と同じエリアの売り出し物件の価格を見てみてください (『戸塚 不動産』とか『東戸塚 マンション』とか、エリア×物件の種類で検索すると色々なページが出てきますので、そうやって探すのが探しやすいと思います)
マンションであれば、同じマンションの売り出し価格 同じマンションに売り物件がなければ、近所のマンションを調べる その時には、自分の所有するお部屋と同じくらいの専有面積の部屋を参考にしましょう 専有面積が同じくらいの物件が無ければ、価格を㎡数で割り算して、1㎡当たりの単価を計算し、それにご自分の部屋の広さを掛け算すればおおよその価格がわかります
土地や一戸建てについても同じですが マンションと違って近所の売り出し物件だったとしても 面積の違いだけではなく、築年数や土地の形状、平坦地か高台か、などなど 比較する項目がマンションよりもだいぶ多くなります
それでも、周辺の物件の売り出し価格の状況はわかりますから参考にはなると思います
もし、新築の建売住宅の売り出し事例などがあれば 土地価格を算出する際の参考になります 新築住宅の価格からおおよそ1300から1500万円程度の価格を引き算すると その物件の土地価格の目安になります。(建物価格がだいたいその位だからです) その土地価格を面積で割り算すると、そのエリアの坪単価の目安がわかります
その坪単価にご自身の不動産の面積を掛け算すれば、おおよその土地価格が把握できます
本当に売りに出す時にはちゃんと不動産会社に査定をしてもらう必要がありますが おおよその価格が知りたい場合にはこの方法でも十分だと思います
不動産会社が実際に査定するときにもこのように 周辺の物件事例を基準に計算していますので、そんなに大きな開きはでないはずです 便利な世の中になりましたね
ここまでインターネットを活用した方法をご紹介してきましたが もちろんインターネットをあまり活用しないかたもいます
その場合には、新聞の折り込みチラシなどを集めて 同じように近所の物件を参考にするのでも同じ事です。お試しになってみてください次に・・・
2、売るタイミングはいつがいいのか?
売主さんそれぞれの状況によって違いますが いままで売らずにいたのにもみなさん理由があるからだと思います
家族や親戚の方との兼ね合いや、金銭面の事など様々です 売るタイミングについては、「そのような周辺の様々な環境が整ってから」 という判断基準で良いと思います あまり世の中全体の情勢や、不動産価格の上り下がりを気にしすぎなくても大丈夫です
バブル時代を経験している世代の方は 不動産で儲かることも損することも見ていますから、世の中の状況に合わせて 売却のタイミングを見計らっている方も多いですが 株や円相場などと同じで、我々プロでも売り時を正確に把握できることはなく タイミングはほとんどが運であって、タマタマです
マスコミなどで報道されるような、景気の良い悪いという話しや様々な景気対策等も 直接的にあなたが売ろうとしている不動産と関係していることは少なく それよりも、そのエリアで新駅ができるとかそのエリア周辺の新築の相場が上がっているとか そのエリアの売り物件が少なく希少価値が出てきているとか その物件ごと、そのエリアごとの特性のほうが直接的に関連してきます
『アベノミクスだから、高く売れるだろう』とそんなに単純なものではありません
日本全体や世間全般のような大きすぎる要素ではなく 地域や周辺環境の方が影響がありますので、もしタイミングを見計らうのであれば その不動産のあるエリアの情報の方をもっと気にかけるようにしましょう
ここまで、よく聞かれる疑問についてお伝えしました他にも
★古い空家がある場合には
『解体しないと売れませんか?』とよく聞かれますが 『解体せず、そのままで売れます』 解体した方が、付加価値は上がるのは確かですが 解体費用は結構高額です。
通常は、買主が決まってから、買主側で解体をするケースが多く 古い空家があってもあまり心配する必要はありません また
★売った後の保証はしなきゃいけませんか?というのも心配事ですが
基本的には保証をする必要がありますが、保証をしないで売る方法もあります また売主の保証を軽減するための保険制度なども整いつつあります
あとは、税金のこと、売る時の諸費用のこと 遊休不動産の売却のポイントはこのくらいでしょうか
利用していない不動産の売却をする方はあまり急いで売る必要が無い方が多いです その余裕を大切にしながら 現実を把握し、適正な条件で売却ができるよう応援しています!
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・いくらで売れるかのだいたいの価格は、一括査定で調べるなら1~2割減額を目安に
・売るタイミングは世の中の情勢より、自分の家族親戚、金銭面などの兼ね合いが大事
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金銭的な理由で売却を選択する場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・金銭面で売らなければいけない時は早めに相談を。選択肢がまだ多いうちに。
・ローンの支払いが滞ると、任意売却、競売となっていきます
・住宅ローンの残債より高く売れるかどうかが分かれ道
・今は大丈夫でもこの先に不安がある人も一度ご相談を
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ご主人が体調を崩し、お仕事ができない状態になってしまった これから先、住宅ローンを支払っていくのが難しいので、自宅を売却したいと 相談がありました 10年前に新築で購入したマンション 35年返済で借り入れをしていますから、まだローンの残債は残っています
奥さんもパートでお仕事をされていたため、奥さんの収入はあり、貯金も少しあったため 数か月は、ローンの返済をしていけそうだということ
暗い表情のご主人と対照的に、とっても明るく振舞ってくれる奥様 『自分がしっかりしなきゃ』とがんばっている様子が伝わってきて 私もお手伝いをしていくにあたって、気が引き締まりました
まずは、そのお部屋の売却価格を査定 同じマンションの成約事例などを元に、現実的にいくらくらいで売却可能かを算出 私の査定額は2980万円でした
ローンの残高は約3100万円 査定額で売却ができたとしても、住宅ローンは全額返せません 売却をするには、ローンの全額を完済できることが条件ですから 私の提示した査定額で売却してしまっては売却ができないことになります
住宅ローンをすべて返済するためには、諸費用や引っ越し先でかかる諸々の費用の ことまで考えると3280万円くらいで売れるのが望ましく 査定額よりは高いですが、まずは3280万円で売りに出してみることになりました
今回のお客さんが良かったのは ご主人が会社を辞めることになった早い時点で私に相談してくれたこと
まだ住宅ローンの返済が滞っている状況ではなかったので 数か月の精神的な余裕がありました。
その余裕があったことで、少し高めの価格だとは思いつつも 条件の良いお部屋だったため、売れる可能性に賭けてみることができました そして、結果は・・・ 3280万円で売却することができ 住宅ローンの支払いが滞ることもなく 無事に新生活をすっきりとした形でスタートしてもらうことができました
売却期間は2週間。とっても短い期間で売却できましたが この売却期間中も不安で夜も眠れないこともあったと言う事 でも、売却を終えてから、住まいは前より狭くなったけれども気持ちはスッキリし ローンの無い生活はご主人にとってもストレスをだいぶ減らしてくれたようで お二人共に喜んでもらうことができました
しかし、今回のケースは非常にラッキーでした 相場より高めの価格だったけれどもたまたま同じマンションで物件を探している お客さんがいて、タイミングが非常に良かったのです
このラッキーが無かったら、どうなっていたのか?
通常、物件が売れなければ、価格を下げますが、住宅ローンの完済ができないため 価格を下げることもできません。
売れないまま期間が過ぎれば、ローンの支払いができなくなり 支払いが滞ってしまいます
数か月、支払いが滞ると、銀行から『任意売却』という形での売却を勧められます
今回のお客さんの例で具体的な数字を使って説明しますと ローンの残高が3100万円 現実的に売れる価格が2800万円くらいだとすると 2800万円で売ってしまって、足りない300万円は売った後に銀行に支払っていく
こういうのを『任意売却』といいます リーマンショック以降、こういった任意売却の物件は増加していて 珍しいことではなくなりました 通常は3100万円全額支払わなければ、銀行は物件に付いている『抵当権』という権利を外してくれませんが、滞納が続き、銀行から任意売却の提案があれば 金額が足りなくても、抵当権を外してくれるようになるため 売却額が残債額を下回ってしまっても売却ができるようになります
この『任意売却』になってしまうと 売却価格の決定権は、売主さんでは無く、銀行にあります 買主さんから価格交渉が入っても、それに応じるかどうかを決定するのは銀行です
住宅ローンの支払いの滞納が続き、支払いの目途がたたない場合 このように任意売却で売却を進めていくのですが それでも数か月売れないとどうなるか?
『競売』の手続きになってしまいます
『競売』になると、『任意売却』よりも売却価格が通常は低くなってしまい 売却後に支払っていく額も多くなってしまいます
ここまでで、支払いが滞りだしてから、だいたい1年近くかかる場合が多く ローンの支払いができなくなったからといっても 急激に事が進んでいくことはありません
またここまでの話しは、最悪のシナリオであって 最悪の場合にどうなるのかを知ってもらうために書いてみました
銀行から住宅ローンを借りているだけであれば 銀行は無理な取り立てをしたり、精神的に追い詰めたりはしません もちろんつらい状況であるとは思いますが 悪く考えてもこんな程度だと理解して、冷静な気持ちで、できる限りの事を 前向きに取り組んでいくほうが結果も良くなると思います
決して自暴自棄にならず、事をもっと悪くしてしまうことがないように 早い時点で相談するようにしましょう
また、ここまで切迫した状況じゃない方もいます 『数年先のことを考えると、現在の支払いを続けていくことに不安がある』 『今すぐじゃないけど、早めに支払いの負担を楽にしたい』 といったようなケースです この場合も、やはり住宅ローンの残債額以上で物件が売れるかどうかが 重要なポイントになります
残債額以上で売れる場合には 良いタイミングで売却して、支払いを清算することもできますし 高い金利で借りている方の場合には売却しないで『借り換え』という選択もあります
ただ、残債額以上で売却できそうもない場合は選択肢が少なくなりますが 状況次第ではやれることもたくさんあります
とにかく、金銭的な理由での売却では 『状況が今以上に悪くなってしまう前に相談』 転ばぬ先の杖ということわざを思い出し 選択肢が多いうちに、専門家に相談するように心がけましょう。
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・金銭面で売らなければいけない時は早めに相談を。選択肢がまだ多いうちに。
・ローンの支払いが滞ると、任意売却、競売となっていきます
・住宅ローンの残債より高く売れるかどうかが分かれ道
・今は大丈夫でもこの先に不安がある人も一度ご相談を
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長年住んで我が家を売却する場合・・・
==============【このコラムのポイント】================
・長年住んだ自宅の売却は気持ちの整理をつけて動き出すのが大変
・古いお家は建物の価値はなくても売らない理由にはならない
・境界線の事などご近所さんに協力してもらう場合もあります。
・権利書の紛失、購入時と今の相場や法律の変化などならではの問題も。
サポートしてくれる営業マンを見つけよう
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当社では住み替え通信というニュースレターを戸塚区内に配布しています 売却や住み替えを検討している方に向けた内容になっていますが この住み替え通信を配布しはじめてから、徐々にご高齢の方からのご相談が増えています
ご本人からのご相談もありますし お子様達からのご相談や、もちろんご家族そろってのご相談など
お子様達からの呼びかけがきっかけで売却を考える方や 配偶者がお亡くなりになったことがきっかけだったり お孫さんが生まれたり、お子さんが家を買ったり、建てたり 色々な家族の状況の変化から、考え始める方が多いように思います
みなさん、実際に売却に向けて動くまでに長い時間を要している方が多いようで 『あなたに相談するまで2年かかりました』とか 『動かなきゃと思っても腰が重くて・・・』とよく言われます
何十年と住み慣れている場所からお引越しするという事は 若い世代の私達にはまだ経験もなく、想像するのも難しいくらい それくらい大変なことなんだなあと改めて思います
お金や時間の事、効率的に考えれば 少しでも早く相談して売却を進めた方が良いという場合もありますが その腰を上げるまでの期間は、気持ちの整理をするためにも きっと必要な時間なんだと最近思うようになりました
また、女性お一人の方や、親族が遠方で中々会えな方などは 『不動産会社に連絡するのは怖いイメージがあった』という声もよく聞きます
確かに昔の不動産業界はとてもイメージも悪く なにかと『騙されるんじゃないか?』と身構えてしまう方も多いようですが 業界内の私が言うのもなんだか変ですが 最近は、どの不動産会社もとても親切です 営業マンもお孫さんくらいのスタッフや気さくな人材が多くなっています
『どうするかまだ色々と考えているところだから相談しづらい』 という方も多いと思いますが、結構相談してみると 『踏ん切りがついた』とか『話せてすっきりした』という方も多いです
家の査定の事だけではなく、それにまつわる色々な事も ぜひ相談してみてください 可能であれば、親族やご子息にも同席してもらうのも良いと思います
さて、実際の売却についてです・・・
長年住み慣れたご自宅売却は築年数が古い物件が多いです
1、 古い家だけど本当に売れるんだろうか?
2、 いらない荷物の処分はどうすればいいんだろうか?
3、 ご近所さんにはいつ話したらいいんだろう?
私がよく皆さんから聞く不安や相談事です
1、 古い家だけど本当に売れるんだろうか?
数十年経った古い家をそのまま利用して住む人は、ほとんどいませんが 大規模なリフォームをして住む人 建物を解体して、新築を建てる人 こういう購入希望者さんはたくさんいます
『古い』ということで、建物の価値は期待できないこともありますが
『古い』ということが売れない理由にはなりませんのでご安心ください
2、 いらない荷物の処分はどうすればいいんだろうか?
何十年と住んだ家には何十年分の荷物プラス思い出があります ご自分の物や、お子さんの物 最近では『断捨離』と言いますが、そんなに簡単にできるものではありません
新しい住まいで使うものと、捨ててしまうものを区別して 捨ててしまうものは専門の片づけ業者さんにお願いするのが お金はかかってしまいますが、手間はだいぶ省けます
お子さんや親族の方に手伝ってもらうという方もいますが お休みの度に手伝ってもらうのも悪いし、正直数十年分の荷物は 思っているよりも片付けが大変ですよ
量にもよりますが、まずいくらくらいの費用がかかるのか? 不動産会社への相談の段階で聞いてみるといいと思います
また、売れる価格がその分下がってしいますが 『いらない物を家の中にそっくりそのままにして売る』 という売り方もできる場合がありますので 体力の負担にならないよう自分にあった片付け方をアドバイスしてもらいましょう
3、 ご近所さんにはいつ話したらいいんだろう?
古いお家の売却では、多くの場合、売却に当たって『測量』をする必要があります
この時に欠かせないのがご近所さんの協力 特に敷地が接しているお家の方には立会いをしてもらったりすることが多く この測量をきっかけにご近所さんにもお引越しを告げる方が多いです
もちろん、みなさんの関係性が重要なので、もっと早い人もいるし 最後の最後まで内緒の方もいますから、どれがいいという事もありません
お引越しを告げる場面にも何度も見かけていますが 『○○さんがいなくなると、寂しくなるわ』なんて会話を聞いていると なぜか私が切ない気分になってきます
その他にも、権利証を紛失してしまっていたり 売却に必要な書類を揃えるのが困難だったり ご自宅を買った数十年前とは商習慣や法律まで違っていますから 何かと問題が出てくることもあります ただ、ほとんどの事は、時間の余裕があれば解決できることばかり 一つ一つ、担当の営業マンのサポートで乗り越えていきましょう
最後におさらい・・・
==============【このコラムのポイント】================
・長年住んだ自宅の売却は気持ちの整理をつけて動き出すのが大変
・古いお家は建物の価値はなくても売らない理由にはならない
・境界線の事などご近所さんに協力してもらう場合もあります。
・権利書の紛失、購入時と今の相場や法律の変化などならではの問題も。
サポートしてくれる営業マンを見つけよう
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