住み替え状況別、住替えの進め方
他のお客様の実際の事例はとても参考にしていただける要素が多いと思います。少し長い文章ですが、一組のお客様の最初から最後までストーリーのようになっています。
マンションから一戸建てへの住み替えの場合
マンションから一戸建てに住替えをしたいというC様
現自宅のマンションを購入した時は夫婦二人だったけど 10年経過し、その間にお子さんが二人生まれ、今後ちょっと先の将来を考えると 2LDKという間取りが手狭になってくるということで住み替えを検討していました
お姉ちゃんと、弟さんの兄弟でいずれは別々の部屋が必要になるため 3LDKのマンションよりは、4LDK以上の一戸建てに住み替えをしたいということ お姉ちゃんがすでに小学生だったため、住み替え先の物件は同じ学区内であることを 第一優先に探していました
毎週新聞に入るチラシやインターネットで物件を見ているうちに 本格的に住み替えを考えるようになり、まずは相談してみようとご連絡ありました
ご自宅に伺い、自宅の査定も兼ねての相談 まずは自宅がいくらくらいで売れるのか? その額で売れた場合、希望の物件は学区内で見つかりそうなのか? そういったことを見極めることからスタートしました
10年前の購入時に借入した住宅ローンがまだだいぶ残っていたC様 『自宅が売れたお金で住宅ローンが返済できるのか?』と心配そうでした
私の査定は2500万円
住宅ローンの残債額は2700万円と悩ましい状況
住宅ローンの全額返済が可能かどうかで、住替えの計画が大きく違ってきます
まず、2700万円以上の価格で売ることができ、住宅ローンの全額返済ができる場合
この場合には、購入物件が見つかっていなくても一旦賃貸などで仮住まいをして
腰を据えてゆっくりと購入物件を探すという選択肢ができます
しかし、2700万円未満でしか売れなかった場合は
例えば2500万円でしか売れなかった場合
差額の200万円と諸費用分を自己資金で支払いできれば上記と同じで仮住まいという選択肢が増え、少し気持ち的に余裕もできるのですが、今回のC様はそこまでの自己資金の用意が無かったため、2500万円で売れてしまうと、住み替えローンを利用することになるため、売却と同時に必ず購入する事が条件となります
よって、売れた時に、欲しい物件が無かったとしても購入しなければいけないという状況です。
探せる範囲が広範囲な場合にはまだいいのですが、C様の場合には学区が限定されていたため、学区内でタイミング良く希望物件が出てくるという保証もなく とても悩ましい状況でした
かといって、購入物件が先に見つかってしまっても、すぐに売れるという保証も無く すぐ売れない場合は『買取』になってしまい、通常は相場より何割か安くなってしまいます。
売るのが先でも、買うのが先でも、どちらをとるにしても最悪の事態を想定しておいてもらい、なるべくそうならないように慎重に進めるのが住み替えの重要なポイント 今回もC様にも最初に『一番悪い状態でこうなります』ということをよく説明し それでも住み替えを進めたいというC様と二人三脚で住み替えを進めることになりました
まず販売する額ですが、まだ購入物件が見つかっていない状況でしたから 査定額2500万円に対して少し強気の2780万円で販売していくことに決めました この価格で売れてくれれば、購入物件が期限内に決まらなかったとしても、住宅ローンが全額返済できるため、一旦仮住まいするという選択肢が増えます まずはそこを確保するためにこの価格で売ることにしました
そして売却活動をしながらも、購入物件の事も進めなければなりません 学区内で現在売りに出ている一戸建てがありましたが 間取や価格が少し希望条件とは違うため、購入したいと思うような物件ではありませんでしたが、いざ購入したい物件が出てきたときのため、それらの物件も比較対象として 見学に行きました。実際に物件を見るのはとても大事で、見ることでそのエリアの相場観や 物件を見るポイントなども徐々にわかってくるものです。
『今、売れたらこの物件を買おう』という候補物件が常にあるのが理想的なのですが そこはC様が学区限定だったため中々難しかったです
また『今、購入物件が見つかったらいくらで売れるのか?』というのも同時に大事な判断材料で、買取になった場合の価格を把握しておく必要があります。
こうやって、どちらに転んでも、良い決断ができるように常に準備しながらの住替え C様もこのように過ごして2か月目 ついに、希望にぴったりの物件が学区内で売りに出ました 建売の新築一戸建てで、まだ建物を建築する前の物件でしたが、他の建売完成物件をいくつも見ていたため、立地がすばらしかったその物件を買う決断をすることができました
売る方はというと、その時点ではまだ買い手が見つかっていませんでしたが 想定外に良い買取り価格が出ており、資金計算をしたところ返済額にも問題が無い ということで、売却の方は買取をしてもらう決断もできました
こうして、C様の住替えは無事に終了
こんな感じで住み替えは綱渡り的な要素があります
ですから、こうなった場合、ああなった場合と色々な選択肢を把握し どうなってもちゃんと対応できるように準備しておくことが非常に重要です 売るだけでも、買うだけでも大変な作業なのに、それを同時にやるのですから 勢いだけでは無く、ちゃんと余裕をもった計画を立てることが第一です。
C様おめでとうございました!
====ここから下の文章は、追加で住み替えご検討中の方に伝えたい内容です====
さて、私が住み替えをしたいというお客さんと話すときに
まず聞く質問ですが
『なんで住み替えをしたいんですか?』という質問
理由は皆さん様々ですが
現在の自宅に対して感じている不満を解消して
より良い暮らしを手に入れるために住み替えをするというのは
共通しています
狭さを解消したい人、立地を良くしたい人、支払いを少なくしたい人
この理由によって、住み替えの目的地をはっきりさせ、
パートナーとなる不動産会社の営業マンと共有します
暮らしをよりよくするために、どう進めたらいいか?
という本質的な事からブレないように、しっかりと希望を聞いてもらいましょう
購入物件の希望や売却額の希望だけで考えるのではなく
新たに購入して住み替えが終了した後の月々の支払いの希望なども大事です
そういう希望を全部聞いていくと
『それは、ちょっと無茶な計画です』ということもよくあります
その場合にはどこが無茶なのか
無茶じゃない計画にするとしたら、どこを見直せばいいか
こういう事を住み替え計画をスタートする早い段階で考えておかないと
最後になって、計画がぜーんぶ、ひっくり返ったり
住み替えをしても不安が残ってしまったり
そうならないために、まずは目的地をはっきりさせ
そこにたどり着くまでの計画で無理が無いかをチェックする
チェックする時には、目的を達成する物件のことだけではなくて
時間的な事や金銭的な事も一緒に考えると良いでしょう
この作業を避けなければ
売って、買ってと、同時に行わなければならない住み替えも
だいぶ不安なく進めることができます
また、住み替えは、金銭的な制約がついてまわります
買うだけ、売るだけ、ならあまり気にしなくていいことも
買って、売ってを同時に進めていく住み替えでは
お金の面でも、余計に考えなくてはならないことも出てきます
必要があれば、計画を進める前に
銀行の事前審査などを利用し、金銭的な制約についての不安を軽減して
進めていくのをおススメしたいです
また、最後に1点
住み替えを進めていく時の心構えをお伝えして終わります
それは『すべてちょっとだけマイナス思考で計画を立てる事』
○○万円で自宅が売れたら・・・
○○万円で希望物件が買えたら・・・
○○%の金利で住宅ローンが借りられたら・・・
と様々な前提がはっきりしないまま進んでいくのか住み替え
だからこそ
プラス思考で考えすぎると、その通りにいかなった場合のショックが大きいです
特に査定額などは、売主さんの気を引くため
相場よりも高い価格を提示する営業マンもいますから
鵜呑みにしないこと
数社に査定を依頼して、それぞれ価格が違っていたら
一番低い価格を前提に計画を立てるのがちょうどよいくらい
実際に売りに出す価格は一番低い価格である必要はありませんが
取引が成立する価格は少しマイナス思考で考えておくのをおススメします
また気に入った購入物件が見つかって
すぐにでも自宅が売れないと困る!
という状況の時には『買取』というケースも考えられますから
買取になった場合はいくらくらいの値段がつくのかを
把握しておくことも住み替えでは大事です
以上、かなり大雑把に住み替えについて書きましたが
一番大事な要素はお伝えできた気がします
一戸建てからマンションへの住み替えの場合
長年住み慣れた一戸建てを売却して、昔から夫婦の老後の楽しみだった田舎暮らしをしたいと相談があったD様ご夫婦 ご主人も奥さんも、もともとは九州の出身で、老後は九州に戻り 畑いじりをしながらのんびりと過ごしたいということ
老後というにはまだまだ元気なご夫婦ですが
『いつ、ばったり動けなくなるかわからないから、こういう事は元気なうちにやらなきゃ』と奥さん
アクティブなD様ご夫婦は私に相談をしてくれた時には すでに地元の不動産会社や町役場に相談に行っており 購入先の相場や、物件の目途はおおよそついている状態でした。
2か月に1度くらいの割合で現地にも通っているようで 助成金制度が利用できそうだという事や移住先の様々な情報などもよく収集できており ご実家があった町なので、知り合いも多く、移住計画をとても楽しそうに話してくれました
先に九州で物件を購入して、引越した後にゆっくり売却という希望があったのですが D様が欲しい物件の相場だと、どうしても今ある貯金だけでは買えないと分かり まずは売却を進める事になったそうです
D様が売却するに当たって一番の気がかりだったのは『片付け』
30年以上住んできた現在のご自宅には30年分の荷物がたくさん 。。広いお家でしたから、お子さん達の荷物もあり、お庭にも植木鉢やあれやこれがたくさん この荷物をどこからどう片づけたらいいのかが悩みの種でした
今ある荷物はほとんど処分するものばかりで、次のお家に持っていくものは ほとんど無いという事。それならば、業者さんに全てお任せしてしまった方がいいとアドバイスしました。お金はかかってしまいますが、30年分の荷物を自分達だけですべて片付けるのは現実的に考えて無理そうだし、かといって荷物をそのままで片づけずに売却することも可能ですが、そうしてしまうと売れる価格がだいぶ低くなってしまう 今回のD様の場合には片付け業者さんにお任せするのが一番良いと思いました
また、もう1点
片付けは売却活動をする前までに終わらせなければいけないと勘違いされていました 結構、このように思って売却の相談に二の足を踏んでいる方は多いのですが 実際には、お金を支払ってもらう『引渡し』の日までに片付けを終えていただければ 問題ありません
実際の売却スケジュールでは
売却相談・査定→販売活動→契約→引渡し
という順番で進んでいきますので、引き渡しまでにはだいぶ余裕がある場合が多いです
まずは片付け業者さんに見積もりを依頼
だいぶ荷物が多かったので、40万円程の見積もりでした
ただ、金額の事よりもずっと気がかりだった片付けの目途がついたことでスッキリしたそうで、片付けは業者さんに一任してしまうことに決めました
そうして販売活動を開始
2か月半の期間で買い手がみつかり、無事に契約の運びとなりましたが 住替えの場合、契約の特約で入れて欲しい条項があります
D様のように、ご自宅を売却したお金で住み替え先の物件を購入する場合
『引渡猶予の特約』というのが必要になります
本来であれば、買主様からお金を支払ってもらう同日に、お家の鍵も買主へ引渡します しかし、D様のような状況の場合、買主様から支払ってもらったお金で次の物件の購入をするため支払ってもらう日に鍵を買主様に渡せません そこで鍵の引渡しを数日待ってもらう『引渡猶予』という特約が必要になるのです
数日といのは7日から10日くらいが多いですが 買主様と合意の上で決めることができます
D様の場合は10日間の猶予期間をもらい
この期間内に、九州の物件の引き渡しを行い鍵をもらい、引越し、片付けを済ませました 引越し、片付け、九州の物件の引渡し
これらは全て契約が決まった時点でスケジュールを立てていましたので 期間が短いようですが、無理なく進めることができました
とはいっても大作業であることには変わりはなく
アクティブなD様ご夫婦もお引越しの前日にはお疲れのご様子で
『元気なうちじゃないとやっぱりできなかったね』とおっしゃっていました
お引越しをしてからお手紙をくれたD様 すでに田舎暮らしライフを満喫している様子が伝わってきて うれしくなりました!
マンションからマンションへの住み替えの場合
分譲マンションから分譲マンションへお住替えをしたA様の事例をご紹介します
A様はご夫婦とお子さんの3人住まい 新たに別のマンションに住み替えする計画を数年前から考え始めていました
というのも、A様のご両親が住んでいる駅近マンションがあり まだまだ介護とは無縁な元気なご両親なのですが、何かと近い距離に住んでいる方が お互い安心できるという理由がありました。
それともう一つ。ちょうど、A様のお子さんが結婚することになり 夫婦二人の生活が始まるため、今よりも駅近で便利なマンションへ移動したい という2つの理由からでした
相談に来られた時にはまず金銭面から計画の整理からしました 住替えはご本人の希望とは関係なく、資金計画によって制約されてしまうことが多く まずはできることと、できないことをきちんと把握していただくためでした
A様の場合はすでにマンションの住宅ローンが完済しており 売却したお金で次のマンションを現金購入するという良い状況での住替え計画でした
ただ、ご主人はすでに定年退職しており、新たに住宅ローンを組むことができません 買いたいマンションンはあるものの、現在の自宅が売れなければ購入できないという状況なので、まずは現在の自宅マンションを売却することからスタートすることになりました
A様のような状況の方の場合 売れた価格で購入物件を買うので『いくらで売れたら、いくらの物件が買える』と計算はしやすいですが、逆に考えると『いくら以上で売れなければ、この価格の物件は買えない』と制約もはっきりと出てしまいます
売る物件も、買う物件もマンションですから 今まで売りに出た事例などを元に、売れるであろう価格。買えるであろう価格が比較的 目途が立てやすく、余裕がある計画ではないものの、なんとか相場で売れてくれれば 購入物件も購入できる算段が立てられました そうして、ご自宅の売却を進めることになったのですが 実はA様が相談に来られる数週間前の事 B様というマンション購入を希望しているお客様が当社の個別相談会に来られていて
そのB様の希望する候補マンションの一つが、A様がお住いのマンションだったのです
A様から相談があった時に、すぐにB様の顔が浮かび すぐにB様にもご連絡をしました
日程を調整し、B様をA様のご自宅にご案内し、すぐに契約成立です 売却をスタートしてから1週間。1組目のお客様で売却活動終了 こういう事も地元で営業しているとたまにあるものです。これもご縁です
こうして第一関門の『売却』が思いのほか早く目途が立ちました しかし、まだ購入物件の目途がはっきりと立っていなかったのです 一旦、賃貸住まいをして、購入物件はゆっくりと探そうというくらいの気持ちでいましたが やはり引越しは一回に越したことはありません
数日前に見学していた気になっている物件がありました 気になっていたけど、その物件はリフォームをしておらず、住むには多少のリフォームが必要でした。リフォームしたらいくらかかるのか? それがわからないことには決断もできないため、すぐにリフォーム会社さん同行でその物件を再度見学に行きました。
現地で実物を見ながら、ここを直したい。ここをこう変えたい。とリフォーム会社さんと打ち合わせをし、すぐに見積もりを出してもらい、『これなら行ける』とA様はその物件の購入を決断しました。
ここまでトントン拍子のように思われるかもしれませんが 確かに売却はとても良い買主さんに恵まれ、思った以上に早く目途がたったのですが 購入の方はそうはいきませんでした
価格交渉、引渡時期の交渉、その他住み替えに伴う諸々の交渉が購入物件の売主とあり その交渉の中でも、希望通りになった事、希望通りにならなかった事があり 当初想定していたよりは厳しい条件となった面もあります
しかし、それでも当初から想定通りにいかなかった場合のことも視野に入れて 計画を考えていたため、がっかりくることもありましたが、購入に踏み切る決断をすることができたのです。 住替えの場合、このように思い通りにいかない事もあるため
極力、『こうなったらいいなあ』『こうなってくれるはず』とプラス思考すぎるのは危険で どちらかというと『こうなってしまった場合』というマイナス思考視点で考えることが 一つの安心材料になっていくと思います
そんな、こんなでA様の住替えも無事に終わりました 『ジェットコースターのようだったけど、高鳥さんがいてくれてよかった』とA様が 言ってくれた言葉がとても印象に残っています
買うだけ、売るだけならばある程度自分のペースでできることも多いのですが 売って、買ってと同時に行う住み替えは ご自分以外の状況に合わせなければいけない局面も多々あり 確かに人によってはジェットコースターに乗っているような恐怖感があるかもしれません
それでもなんとか、目的地にたどり着くため お客様と営業マンの協力し合った二人三脚の住替え活動が必要になってきます
取引きが終わるころには、お客さんというか共に住替えを乗り切った『戦友』のような 気持ちになります A様、住替えおめでとうございました!
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